音楽誌等に色々書いてる石川貴教のブログ。

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Bande a Part

うちの近所にシャツ、スーツなどを手造りしている洋服店、仕立て屋さんがあります。

決して大きいとは言えないそのお店、オーダー・メイドが基本ですが、
べらぼうに高いわけではなく、どちらかといえばリーズナブルな価格設定。
まったく気取ったところもなく
細部の修繕や、サイズの直しなども気軽に引き受けてくれました。

オレが物ごころついた時にはもう既にそこにあったので、
相当永い間営業を続けていたはずです。


そこでは、いつも、男性が黙々と仕事をしていて
たまに奥さんらしき人がいることはあったけれど、たいがいはその男性
(今では、かなり年配になられて、失礼ながらオジイチャンと呼ばれても
おかしくない年齢だと思います。)が一人でシャツやスーツを仕立てていました。

その男性は細身でメガネなルックス。
洋服の着こなしは「往年のM.J.Q.」を彷彿とさせながらも堅苦しくはない絶妙な感じ。
肩の力が抜けつつ、背筋が伸びたその佇まい、姿勢からは、
「ピシッ」という音が聞こえそうでした。


しかし、先月その店の前をいつものように通りがかったら、
その男性が一人でバンに仕事道具を詰め込んでいて
チラっと店の中をのぞいたら、中は空っぽ。

今もその仕立て屋があった場所はガランドウなまま。
やめてしまったのか、どこかに引っ越したのか
震災の影響があったのか、そうではないのかはわかりません。

そして、
この仕立て屋さんだけでなく、あの地震のあとに営業をやめた、やめざるおえなかった店
未だ営業を再開できない店をたくさん見かけます。

ただでさえですよ、
気がつけば、まわりはシアトル系のコーヒー・ショップとマックとユニクロ、
イオン、ジャスコにイトーヨーカドーとベニマルばかりな現状。
(オレも仙台に帰って来てからビックリしたのですが、
首都圏に住んでいる人が想像する以上に、大資本のチェーン店が
地方都市では幅を利かせています。)

「昔がよくて、今より楽しく幸せに暮らせていた。」というつもりはありませんが
どこに行っても同じ店、同じようなモールばかりで
地域の中小規模の店舗が少なくなっているのは事実であります。
なので、足の不自由な人やお年寄り、車で買い物に行けない人達は難儀しています。

これからも、この傾向が続くのだろうか・・・


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勿論、なかには毅然と、または飄々と仕事を続けている
地元の企業、自営業もありますが、今や本当に貴重な存在。

例えば、映画館なんですが
昔あった「東宝」、「東映」、「松竹」、「名画座」などなど、
各町の街中にあった映画館はほとんどなくなりました。

その分、郊外にモールと併設のシネコンが出来たんですけどね。
でもね、お年寄りはそんなこと知らない人が多いんです。
「たまには映画でも観てみたいね。」とわざわざ出かけてみたのに映画館がなくなっている。
結構、ガッカリするハズです。
実際に、そういう話を年配の方から聞きました、何回も。
なんか、切ない気持になりました。
オレには、どうすることも出来ないんですけどね。

そんな中でも、仙台中心部で頑張っている映画館が三軒あります。

「桜井薬局セントラルホール」も、その一つ。

旧名は「セントラル劇場」だったかな。
学生のころに「デューン・砂の惑星」とか、「タイタンの戦い」など、当時の新作を
観たのはこの劇場だったし、ヒッチコックの旧作ほとんどや、ヘップバーン主演の諸々の映画も
ここで観たとオレの灰色の脳細胞は記憶しています。


ここ数年は、お年を召した人向けの日本映画旧作や
どんな年代からも親しまれるタイプの邦画を上映していることが多かったように思います。
実際には、経営的な観点から、そういうプログラムに重心を移していたのかも
知れませんが、前述のようなお年寄りからの声を聞いていたオレは
「いい感じだよな。」と思っていました。

が、突然といっては何なんですけど
(震災の前に予定していたのが、延期されていたのかも。)
先日、この桜井薬局セントラルホールが「ゴダール特集」を組みましてですね、
仙台では、まだ上映されていなかった新作「ソシアリスム」だけでなく、
旧作も四作上映。

「映画史」なんて、この先、映画館で見る機会も(オレは)なかろう、などと思いつつ
結局、上映された全作を観てしまいました。

子供のころに来た時には、出来たばかりでピカピカだった内装は年季が入り
ところどころ壁のクロスが剥がれたままで、地震による損傷を感じさせる箇所も
いくつかありました。(つーか、この映画館が入っているビル自体が震災後、
外壁等の大掛かりな補強工事中でまだ、それも終わっていないんだけど。)

音響も、最新式のデカい映画館に比べれば、
大きな声で誉めたくなるようなものではありません。
しかし、暗闇に身を沈めて35ミリのフィルムを観る快感に比べれば
それは些細なことのようにも感じます。
昔の映画を観るぶんには、充分なものだしね。
(勿論、最新鋭の音響設備があるにこしたことはないんでしょう。
でも、そうでないところで観ても、それはそれで大切な映画体験だと思います。
なんちゃって。)



有名なこのシーンも映画館の大きなスクリーンで観たのは初めてだったんだけど
家でDVDで観たのとは、ハッキリ言って別物。
いやいや、やっぱ、当たり前のことだけど、映画は映画館で観るもんだな。



【 2011/07/21 21:18 】

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