音楽誌等に色々書いてる石川貴教のブログ。

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Good Music On My Radio

来週、「Shuffle Friday」があるので選曲色々考えています。
本当は、その場で自然に即興で良い流れにするのが理想ですけど
抽斗は多ければ多いほどいいかな、と。
まあ、ぶっちゃけ暇なだけなんですけどねw


で、以前に、
ジャマイカで「Shock Attack」と呼ばれていたサウンドマン・クラシック
このブログで取り上げましたが
現場でプレイするとしたら、この「Shock Attack」の後はどんな曲につなぐと良いのかな、と。

サウンド的には、ラテンな要素も入ったニューオリンズものがピッタリなんでしょうが、

リリックで考えると

チャーリー・ゴンザレス「I'm Free」(この歌も以前にエントリーしました。)

が面白いかな、な~んて思ったりして。

なぜ面白いと思うか、は自分で説明するのも野暮なんで
(真面目な女性からは顰蹙かいそうな流れのつなぎだしw)
興味あるかたは歌を実際に聞いてみてくださいね。



でも、やっぱ、「Shock Attack」の後に
つないでプレイするのにはこれがピッタリかな、と感じたのは

メルヴィン・ダニエルズ「No More Crying On My Pillow」

あまり有名ではないマニアックなヒューストン・ジャンプですが
ジャマイカでは、「Good Music On My Radio」と呼ばれて親しまれた
1950年代のサウンド・システム・クラシック。

「朝起きたら彼女がいなくなっていた。」という歌を受けて、
それの次にかけるのに歌詞が違和感なく、構造的にも同じ=ほぼ典型的なブルース形式。

そして、なにより、
この歌詞だと、”ストーリー”というほどの大げさなものではないけれど
エピソードの連なりとしてはポジティヴな感じの流れに(ひとまず)着地できる、かな。
(ポジティヴなら、なんだって良い、ってわけではありませんけど。)

しかも、歌詞の最後の一行が (当時の彼らのコミュニティの切実なリアリティ、
それにストレートに根ざしたリリックである、とあくまで想像ですが、そう思います。
なので、笑ったり、逆に悲しんだりしたらいけないかもしれませんが、それでも、なおかつ)
一寸切ないような、でも少し笑えるような、何とも言えない思いを想起させ、
単純ではない余韻を残すところが好ましい、と考えます、俺は。


音的にも、キング・カーティスのテナー・ソロから、ギター・ソロに移行する最高の間奏部、
その後の最終ヴァースへと進むにつれ、徐々に、本当に徐々に、そして絶妙に
熱を帯びてくる緻密な演奏とアレンジが素晴らしい。


この「No More Crying~」、
SPも7インチも及びジャマイカ盤ブランクもかなりレアーで見つけるのが大変。
でも、オムニバス・アルバム「Stompin'  "More Early Jump"」に収録されております。
見たとおりの怪しげなアルバムではありますが
"Hot'N'Horny"なジャンプ・ブルースとジャジー・リズム・アンド・ブルースがてんこ盛り。

blues_convert_20120412172806.jpg






「クラシック・ブルースは娯楽であり、カントリー・ブルースは俗謡である。

それに対して、新たな都市居住者のブルース、そしてブルース系のジャズは
以前の形に比べてもっと激しくて箇酷、そしておそらく禁欲的かつ絶望的であった。
それは ”大都市生活”のすさまじく危険な出来事の生々しさと劣悪さから活力を得ていた。

音楽はかなり滑らかで洗練されていたが、人々は歌の内容に我が意を得たのである。
安アパートやスラムや安酒場の様子、そして工場や波止場での箇酷な肉体労働、
これらが何らかの形で音楽の中に入り込まないわけがなかった。」

リロイ・ジョーンズ(アミリ・バラカ)「ブルース・ピープル」より。



また、
カート・ヴォネガットさんは、「国のない男」の中で

「友人のアルバート・マリからこんなことを聞いたことがある。

アメリカの奴隷時代(我々は当時の残虐な行為から完全に開放されることは不可能だろう。)
奴隷所有者の自殺率は、奴隷の自殺率をはるかに超えていたらしい。
マリによれば、その理由は、奴隷たちが絶望の対処法を知っていたからということだ。
白人の奴隷所有者たちには、それがなかった。
奴隷たちは自殺という疫病神を、ブルースを演奏したり歌ったりして追い払っていたのだ。

マリは他にも、なるほどと思うようなことを言った。
ブルースは絶望を家の外に追い出すことはできないが、演奏すれば、その部屋の隅に追いやることはできる。
どうか、よく覚えておいてほしい。」



「ブルース・ピープル」でも引用されているエルネスト・アンセルメ氏の言葉

「ブルースが生まれるのは、彼らが悲しむとき、
家や母親や恋人から離れている時だ。
そんな時に、モチーフや好みのリズムを考え、トロンボーンかヴァイオリンか
バンジョーかクラリネットかドラムを手にする。
あるいは、歌うか、ひたすら踊る。
選んだモチーフをもとに、自分の想像力の深みを探る。
そうすると、悲しみなど吹き飛んでしまう。
それがブルースだ。」


【 2012/04/14 18:33 】

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