音楽誌等に色々書いてる石川貴教のブログ。

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There Is Something On Your Mind

この前、定禅寺ジャズ・ストリート・フェスの二日目、夕方というか夜
ちょろちょろっと短時間、定禅寺通り沿いを歩いていろいろ聞いてみてたんですが、
西公園ではバードさんのミニ・ライヴを聞きました。
夏の終わりというよりは、はっきり秋の空気の中、
リズムの裏でビシビシとスキャットを決めるなど大変良かったです。
しかも、気さくな感じのひとなんですね。

で、以下はこぼれ話にもならないくだらない話なんですが・・・
ジャズフェスの前にジャズ・マニアの年配の先輩から久々連絡があって
「定禅寺ジャズ・フェスって面白いのか?行ってみようと思ってるんだが
誰か良いアーティスト出るのか?」と聞かれたんで
「パイセン、オレもしっかりとは聞きに行ったことないっす。でも面白いんじゃないですか。
あ、バードはくるみたいですよ。パイセン、好きっすか?他の出演者はオレ、ほとんど知らないなー」
と答えたんですね。
そしたら、「おい、お前冗談言うなよ?バードがくるわけないだろ。なんでバードがくるんだよ」
というので
「いや、パイセン、ジャズフェスとはいってもジャズ以外の人も出るんですよ。」
(パイセン、バードも知らないのかな。年も年だからしょうがないかなどと思いつつ)
「ロック・バンドもあれば、太鼓バカバカたたくヒッピー系みたいな人や、
ジョアン・ジルベルトをカヴァーするすごい御爺さんとかも多分出るんですよ」
というのに応えて先輩
「お前の言ってることは、さっぱりわからない。レゲエ聴きすぎて頭どうにかなったのか。
なんでバードが仙台に来るんだよ。しかも今。もう、この世にはいないじゃないか、違うか?」

ここで、ヤーマン石川もやっと気づきました。
ジャズ・マニアでほぼジャズしか聞かない人にとって
(そうでないひとにとってもですが)
ジャズでバードときたら、そりゃあ、もうチャーリー・パーカーですよね。
先輩、すんません。説明が足りなかったです!

と、まあ、このようなキー・パンチするだけ電気の無駄使いじゃないかという
くだらない話なんですが、実話なんでのせずにいられませんでした。



ところで、
チャーリー・パーカーといえば現在、河出書房から発売中の書籍
「チャーリー・パーカー モダン・ジャズの創造主」の本文中に
ビッグ・ジェイ・マクニーリーの興味深い談話が載っていました。

ビッグ・ジェイマクニーリーといえば、
1950年代に豪放磊落、ブリブリ吹きまくるテナー・マン、
そしてエンターテイナーとしても人気を博した人物。
ジャマイカの初期サウンド・システムでも「Big Jay Shaffle」などの
シンプルなジャンプ・アップ・ナンバーがヘビー・プレイされたそうです。

で、マクニーリーさんは(ディジー・ギレスピーの西海岸ツアー・バンド
”リバップ・シックス”の一員として1945年暮れから二か月以上ハリウッドでの
クラブ「ビリー・バーグス」に出演していた)チャーリーパーカーを何度か聴きに行ったそうで、
いわく
「友人のハンプトン・ホーンズやソニー・クリスと連れ立ってビリー・バーグスに行ったものだ。
これこそ、新しいジャズの姿だ、と感激したよ。進む方向が一瞬にして決まったね」。

しかし、その後マクニーリーさんは前述のようにバップとはいわば正反対の
ワイルド過ぎる極太ホンカー・スタイルの演奏家になっていきます。
そのことについて彼はこう言っています。
「ビ・バップでは生活が成り立たなかった。
私の家はハンプやソニーほど裕福ではなかったんだ。」

超高度のテクニックと感覚が必要とされるビ・バップは
誰もが演奏できる種類の音楽ではなかった。適応できた人は、本当に一握りだったようです。
(特にバードはオレが聞いても人間離れしているのがわかります。)
なので、それに適応できなかったジャズやジャンプ・ブルースの人たちが
どのような道を模索していったか、それがその後のアメリカのブラック・ミュージックの発展に
つながったんですけど、(勿論、それがすべてではないし、
バップに興味なかった人もたくさんいたと思いますが)
ともかく、私はマクニーリーさんは実は技術的に対応できなかったんじゃないか、
というような意地悪なことを言いたいわけでは本当になくて、
自分のスタイルを固めるまでは、その人なりの理由、地域差なども含め
きっと様々な紆余曲折があったのではないか、
そういう当時のアーティストのエピソードを集めただけで一冊の本ができるだろうな、
あったら読みたいなと。

えー、マクニーリーさんの「Big Jay Shuffle」以外の
ジャマイカ・サウンドシステム・クラシック
「There Is Something On Your Mind」(1959)
ジャマイカではヒューバート・リー(Randy's)他がカヴァーしています。
ヴォーカルにリトル・ソニー氏を迎えたスロー。
ニューオリンズ系のホーンで、トロットロですね。
この曲は、アメリカのヒスパニックの人たちにもいまだ大人気。
ロー・ライダー系の人たちにも愛好されています。








【 2014/09/26 20:49 】

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