音楽誌等に色々書いてる石川貴教のブログ。

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母なる夜

先日四月十一日で、カート ヴォネガットさんが亡くなって一年が経ちました。

まだ、彼の小説を読んだ事のない方は是非読んでみてください。
基本、音楽でも、小説でも、あまり人に何かを薦めたりするのは得意ではないのですが、
この人の本だけは、読んで欲しいかな。偉そうで、すみません。

最初は読み易くはないかも?
でも、すぐに独特の文体とテンポに慣れてスラスラと一気に読めるはず!
なにしろ、話が面白いんだから!
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「自分の事しか、結局は考えていない人。それが悪い事だ、と気付かない(思いもしない)人間。」
には容赦しなかったですね、終始一貫。

昨年、日本でも出版されたエッセイ集「国のない男」でも厳しい口調は相変わらず。

ブッシュと彼の取り巻き、その他の人物については、以下の様に言ってます。
”彼らは「サイコパス」=賢くて人に好印象を与えるものの、良心の欠如した人。
生まれつき良心の欠如している人とも言える。”と。

でも、他の文章のそこかしこには、他者への思いやりが滲み出ていて・・・。
良い意味で、色々と自分に反省を与えてくれる人でした。
大事な事を「ハッ」と思い出させてくれる作家でしたね。

辛らつで厳しい言葉。その陰には薄っぺらなものではない、深い優しさがありました。
(優しいなんて本人に言ったら怒られてただろうけれど。)
超ユニークな設定とアイディア、時にドタバタする展開の陰にも必ず温かいユーモアがあります。

かなり奇抜な設定の話が多いのは確かだけど、(だから、面白いんだけどさ。)
読後、静かに、しかし強く胸を打たれる話。

涙腺の弱い方は、それなりに準備してから読んだ方がいいっすよ。
(「この話のどこが、泣けるんだ」って人がたくさん居そうな、今日この頃だけど。)
 想像力(妄想力じゃないよ!)が少しでもある方にとっては
一生心に残るであろう素晴らしい小説をたくさん残してくれたヴォネガットさん。

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「スローターハウス 5 」(これは映画も素晴らしかった!)、
「猫のゆりかご」、「ジェイルバード」は文句無しに最高の小説です。

個人的には、「母なる夜」が一番好きだけど。

この前、本屋に行ったら長らく絶版だった短編集「モンキーハウスへ ようこそ」
文庫本として復活!してた。Big Up 早川書房!!!
この短編集に収録されている話は、どれも良い。
ヴォネガットさんの小説に慣れるのにも、丁度良い入門編になるかも?
中でも冷戦下のアメリカ、ソ連の宇宙飛行士二人。
その母親同士が交わした手紙。
その二通の手紙だけで構成された短編「人間ミサイル」。
泣けてきます、心から。

そして、彼はとても音楽を愛した人でした。

今だからこそ、(再び)彼の小説は世の人に読まれなくては!
正直にそう思っている人々がたくさん居る事でしょう。
今だから、こそ。
【 2008/04/13 23:08 】

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コメント

--- オレも、 ---

ヴォネガット、結構好きです。超熱心なファンの部類には入んないけど、『国のない男』も出てすぐに買いました。ここに載ってない作品だと、『タイタンの妖女』なんか大好き。太田光があれだけのヴォネガット・マニアだから、爆笑問題の事務所名は当然ここから来てるのに決まってるよね(そんな事実はみんな知ってることなのか・・・)。ところで『BP エモリー・ダグラスの革命アート集』はやっぱりナイスな本だったので、次号『ミュージック・マガジン』で書評を書くことにしました。すんませんね、レゲエの話題には一切反応しないで・・・。
KS  *  URL[編集] 【 2008/04/16 10:13 】
--- KSさん ---

いや、いや、「タイタンの妖女」がありましたね。面目ない!あれは最高です!おれも大田光がファンだってこと「国のない男」買って初めて知りました。しばらく、ヴォネガットの事は正直忘れてたんですけど、ふと思い出したらまだ隣にいたって感じなんですよね。
わが身を省みさせられる事多いです、この人には。とにかく、文章って人となりが出ますよね。「マガジン」楽しみにしてます!最新号のクロスレヴューも痛快でしたよ!慶一さんの新作はおれも大好きです。ちょっと、ビックリするくらい良いですよね!「エモリー・・」はもう一度じっくり読み直してみます!
TK  *  URL[編集] 【 2008/04/16 22:54 】

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